埼玉での空き家売却：初心者でも失敗しない戦術

埼玉県における空き家の現状と売却の可能性

埼玉県では、地域によって人口動態が大きく異なり、これが空き家の数に直結しています。寄居市や秩父市など、人口減少が目立つ地域では空き家が増えています。これは、高齢化や若者の都市部への移住が主な原因です。一方で、さいたま市や川口市のように人口が増加または安定している地域では、空き家問題はそれほど深刻ではなく、空き家の市場も活発です。

①埼玉県の空き家数と空き家率の現状

埼玉県の空き家率は10.2％で、全国で47番目に低くなっていますが空き家戸数では全国で8番目に多くなっています。（参照URL）

埼玉県内の市町別の空き家率は、毛呂山町が19.8％で最も高く、次いで秩父市が17.4％、寄居市が17.1％、本庄市が15.2％、ふじみ市が14.8％、熊谷市が14.2％となっています。最も空き家率が低いのは戸田市の0.9％です。（参照URL）

平成30年のデータによると、埼玉県内の約338万戸の住宅のうち、約34.6万戸が空き家です。また、「その他空き家」は約12.4万戸で、率は3.7％です。利用目的のない空き家（いわゆる「その他空き家」）は、戸数約12.4万戸、率3.7％で、戸数は約1.2万戸です。（参照URL）

これらのデータから、埼玉県における空き家問題の深刻さが伺えます。空き家が多い地域では、地域の価値の低下や居住環境の悪化などの問題が生じる可能性があり、県や市町村が空き家対策に取り組んでいる状況が見て取れます。

②2050年の人口予測と空き家の推移

以下が2020年の人口を100とした時の人口の変化です。

（人口が減少しているエリアトップ20）

市区町村	令和2（2020）年の総人口を100としたときの総人口の指数
	2020年	2025年	2030年	2035年	2040年	2045年	2050年
東秩父村	100	87.8	77.6	67.7	58.2	49.3	40.8
小鹿野町	100	88.9	78.9	69.7	60.9	52.7	44.9
小川町	100	91.9	83.6	75.1	66.3	57.8	50
ときがわ町	100	92.3	84.8	76.9	68.5	60.3	52.5
吉見町	100	92.7	85.3	77.4	69.2	60.9	53.2
鳩山町	100	92.9	85.2	77.2	68.9	60.7	53.8
長瀞町	100	92.1	84.3	76.4	68.6	61.1	54.1
皆野町	100	91.9	84.2	76.7	69.4	62.2	55.5
越生町	100	93.2	86	78.5	70.7	63.2	56.3
川島町	100	93.7	86.6	79.2	71.4	63.8	56.9
横瀬町	100	93	86.6	80	73.4	66.6	59.9
秩父市	100	92.4	85.5	78.8	72.3	66.1	60.1
行田市	100	94.7	88.9	82.7	76.1	69.7	63.6
寄居町	100	94.5	88.8	82.7	76.3	69.8	63.6
幸手市	100	95.7	90.4	84.5	78.4	72.4	67.1
松伏町	100	95.3	90	84.3	78.6	72.8	67.3
毛呂山町	100	96	90.5	84.4	78.3	72.5	67.4
杉戸町	100	96.1	91	85.5	79.8	74.3	69.1
神川町	100	95.5	91.2	86.3	80.8	75	69.3
北本市	100	96.5	91.6	86.3	80.7	75.2	70.1

（人口が増加しているエリアトップ20）

市区町村	令和2（2020）年の総人口を100としたときの総人口の指数
	2020年	2025年	2030年	2035年	2040年	2045年	2050年
さいたま市緑区	100	106.5	109.3	111.3	112.5	113	113.2
滑川町	100	101.3	105.3	108.2	110	110.9	111
八潮市	100	100.2	103.1	105.4	107.2	108.5	109.3
戸田市	100	103.2	105.2	106.6	107.4	107.5	107
吉川市	100	103	104.9	106	106.7	106.9	106.8
さいたま市浦和区	100	102.7	104.5	105.9	106.7	106.9	106.4
さいたま市大宮区	100	103.8	105.1	106.3	106.9	106.7	106
さいたま市西区	100	104.8	105.5	105.7	105.5	104.9	104.2
朝霞市	100	102	103.4	104.4	104.8	104.7	104.2
さいたま市南区	100	102.2	103.4	104.1	104.3	103.9	103
志木市	100	101.8	102.5	102.8	102.7	102.3	101.7
さいたま市	100	102.3	102.9	103.1	102.8	102.1	101.2
川口市	100	101.4	101.9	102.1	102	101.6	100.9
さいたま市中央区	100	101.8	102.5	102.8	102.6	101.9	100.8
和光市	100	102	102.5	102.7	102.5	101.7	100.4
伊奈町	100	101.7	101.8	101.5	100.9	100.4	99.8
三郷市	100	100.2	100.7	100.6	100.2	99.5	98.9
さいたま市北区	100	101.7	101.9	101.6	100.9	99.7	98.3
蕨市	100	100.5	100.5	100.5	100.1	99.3	98.2
新座市	100	100.8	100.7	100.2	99.5	98.9	98.1

多くの地域で2030年から2050年にかけて人口が減少しています。特に、行田市、秩父市、熊谷市、加須市などでは人口減少が顕著です。これらの地域では、人口減少に伴い空き家の数が増加する可能性が高いです。一方で、さいたま市や川口市などの一部地域では人口が安定しているか、わずかに増加しています。これらの地域では、空き家の問題はそれほど深刻ではない可能性があります。（参照URL）

③ 埼玉県での空き家売却の相場

埼玉県で空き家を買取に出す際には、まず市場の状況を理解することが重要です。 空き家の需要は地域によって異なり、特に埼玉県のような都市近郊では、再開発の可能性やアクセスの良さが価格に影響を与えることがあります。不動産の取引価格などを閲覧できる「土地総合情報システム」を基に、埼玉県の以下エリアの相場を見ていきましょう。

人口減少地域の不動産価格事例

	所在地	取引価格	土地平米数	延床面積	建築年	構造
1	秩父郡小鹿野町	690万円	310m²	140m²	昭和53年	木造
2	比企郡小川町 大字木部	1万円	100m²	210m²	昭和52年	木造
3	比企郡小川町 大字大塚	1万円	150m²	100m²	昭和64年	木造
4	比企郡小川町 大字小川	300万円	120m²	150m²	昭和60年	木造
5	比企郡小川町 大字飯田	330万円	165m²	120m²	昭和55年	木造
6	比企郡小川町 大字青山	460万円	160m²	165m²	昭和60年	木造
7	比企郡ときがわ町 大字西平	40万円	450m²	70m²	昭和48年	木造
8	比企郡ときがわ町 大字桃木	50万円	125m²	65m²	昭和64年	木造
9	比企郡ときがわ町 大字玉川	150万円	380m²	85m²	昭和58年	木造
10	比企郡ときがわ町 大字番匠	180万円	150m²	100m²	平成3年	木造
11	比企郡ときがわ町 大字関堀	250万円	130m²	75m²	昭和56年	木造
12	比企郡吉見町 大字一ツ木	20万円	720m²	125m²	昭和52年
13	比企郡吉見町 大字南吉見	30万円	250m²	45m²	昭和58年	木造
14	比企郡吉見町 大字久保田	50万円	290m²	270m²	平成2年	鉄骨造
15	比企郡吉見町 大字南吉見	120万円	270m²	40m²
16	比企郡吉見町 大字和名	300万円	145m²	85m²	平成10年	木造

人口維持地域の不動産価格事例

	所在地	取引価格	土地平米数	延床面積	建築年	構造
1	さいたま市緑区 大字大崎	800万円	270m²	260m²	昭和63年	軽量鉄骨造
2	さいたま市緑区 大字中野田	1,300万円	260m²	90m²	昭和45年	木造
3	さいたま市緑区 大字中尾	1,400万円	75m²	85m²	平成8年	木造
4	さいたま市緑区 大字三室	1,600万円	65m²	70m²	平成4年	木造
5	さいたま市緑区 大字三室	1,700万円	105m²	95m²	平成12年	木造
6	八潮市 大字西袋	350万円	100m²	60m²	昭和58年	木造
7	八潮市 大字南川崎	500万円	100m²	55m²	昭和50年	木造
8	八潮市 大字南川崎	500万円	85m²	80m²	昭和46年	木造
9	八潮市 大字二丁目	600万円	85m²	55m²	昭和48年	木造
10	八潮市 大字浮塚	770万円	85m²	100m²	平成3年	木造
11	戸田市 下前	1,300万円	65m²	80m²	昭和63年	木造
12	戸田市 中町	2,200万円	105m²	115m²	昭和45年
13	戸田市 川岸	2,500万円	70m²	110m²	昭和45年
14	戸田市 笹目	2,500万円	130m²	220m²	昭和62年	鉄骨造
15	戸田市 喜沢	3,300万円	80m²	125m²	昭和59年
16	川口市 上青木	50万円	40m²	55m²	昭和54年	木造
17	川口市 大字安行慈林	250万円	65m²	60m²	昭和51年	木造
18	川口市 大字伊刈	300万円	40m²	35m²	昭和42年	木造
19	川口市 坂下町	300万円	35m²	50m²	昭和53年	木造
20	川口市 芝富士	320万円	30m²	35m²	昭和39年	木造
21	蕨市 塚越	400万円	45m²	40m²	昭和42年	木造
22	蕨市 塚越	980万円	45m²	115m²	昭和47年	木造
23	蕨市 錦町	1,700万円	120m²	210m²		鉄骨造
24	蕨市 中央	2,200万円	65m²	105m²	平成2年	鉄骨造
25	蕨市 錦町	2,400万円	80m²	70m²	平成13年	木造

埼玉県内の中古戸建ての売却相場は、地域によって大きく異なります。さいたま市や川口市などの都市部では、土地の広さや立地条件、建物の状態によって、1,000万円〜3,000万円以上の価格で取引されるケースもあります。一方、秩父郡や比企郡などの山間部では、1万円〜300万円程度の低価格で取引されるケースが多く見られます。空き家の場合には、物件の状態の悪さや荷物の状態などが懸念されて仲介で一般の買手が見つけられないケースも少なくありません。そのため、埼玉県内にある空き家を手間や費用をかけることなく手放したいのであれば、専門の不動産買取業者へ売却することをおすすめします。専門の不動産買取業者へ売却する場合、買取価格は市場相場の2～3割ほど低い金額となりますが、これは専門の不動産買取業者が売主に代わってリフォームやゴミの片付けなどを行うためです。売主側では一切費用負担する必要はなく、たとえ荷物がある状態でもそのまま売却できる点は大きなメリットといえるでしょう。

④埼玉県の空き家対策

埼玉県では、このような空き家問題の解決に向けて、様々な対策を実施しています。

【空き家予防対策】
空き家問題の根本的な解決には、空き家になる前に対策を行うことが重要です。そのため、埼玉県では、空き家になる前に、所有者に対して相続や空き家対策に関する情報提供や相談支援を行っています。具体的には、以下のような事業を実施しています。

• 相続おしかけ講座
• 空き家の持ち主応援隊（こちらのサイトから空き家の管理、売却、賃貸、解体に強い業者を探すことも可能です。）

【空き家流通促進対策】
空き家があっても、活用されなければ問題は解決しません。そのため、埼玉県では、空き家の流通を促進するための対策を行っています。具体的には、以下のような事業を実施しています。

空き家バンクの設置・支援

空き家バンクとは、空き家や空き地の情報を集約して、所有者や利用希望者とのマッチングを図る仕組みです。空き家を流通・活用を促進し、空き家問題の解決につなげることを目的としています。埼玉県では、2013年度から空き家バンクの設置・支援を開始し、現在、県内全域で空き家バンクが設置されています。空き家バンクには、空き家の所在地や間取り、価格などの情報が登録されており、所有者は空き家バンクに空き家を登録することで、利用希望者に空き家をアピールすることができます。また、利用希望者は空き家バンクに登録されている空き家情報を検索して、空き家を探すことができます。

空き家を有効活用するためのアイデア

埼玉県における空き家の有効活用は、地域の活性化や個人の資産価値向上に大きく貢献します。

① リノベーション後、賃貸として活用する。

築年数が経過した空き家でも、適切なリノベーションを施すことで、魅力的な賃貸物件として生まれ変わらせることが可能です。国土交通省が公表するデータによれば、戸建て賃貸物件の市場において、アパートやマンションタイプが97％を占めている中、戸建ての賃貸は市場のわずか3％しかないため、希少価値が高く、市場価値の高い選択肢となっています。リノベーションを行う際の初期投資は、約200万円から400万円程度が目安です。この投資は、物件の状態やリノベーションの規模によって異なりますが、長期的な賃貸収入を考えると、十分に回収可能な範囲です。

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② 空き家を売却する

不動産を売却する際、主に2つの方法があります。一つは不動産仲介業者を通じて一般の買い手を探す「仲介」、もう一つは専門の不動産買取業者に直接売る「買取」です。それぞれメリットデメリットがあります。以下仲介業者と買取業者のメリット・デメリットをまとめました。

	メリット	デメリット
仲介会社	・市場価格での売却が見込める	・売却までの時間が不確定 ・現金化まで時間がかかる ・売却事実が知人に知られる可能性 ・測量費、リフォーム費、清掃費などの追加コストなどがかかる
不動産買取業者	・短期間で現金化可能 ・現状のまま売却できる ・売却が知人に知られる心配がない	・仲介売却に比べて価格が低くなることが多い

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③ 解体して土地として売却する。

住宅ニーズが強い地域では解体をして土地として売却することも可能です。
更地の状態の方が、建物がある状態よりも売却価格が高くなる可能性があります。これは、買主の選択肢が広がるからです。建物がある状態だと、買主は建物の用途や状態を考慮して購入を検討する必要がありますが、更地の状態であれば、さまざまな用途に活用することができます。
解体費用は木造なら3万～5万円／坪、鉄骨造なら4万～6万円／坪、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造なら6万～8万円／坪などが目安となります。ただし、建物を解体することによって土地の固定資産税が4~5倍に上がってしまうので住宅ニーズが強いエリアでなければおすすめ出来ません。

埼玉で空き家を買取している業者

ここからは埼玉県で空き家、築古物件の買取をしている不動産業者5社をご紹介します。
仲介での買取を希望している場合は、空き家の持ち主応援隊より地域の仲介会社を検索することも可能です。

株式会社WISH

会社名		株式会社WISH
所在地		〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町３丁目３−５
電話番号		050-5527-3992
公式サイト		https://wishinc.co.jp/asp/

リフォーム再販業の豊富な経験を活かし、様々な物件の再生に長けています。法的な問題に関しては専門家とも連携しており普通の不動産会社では取り扱えないような訳あり不動産の買取も積極的に行っています。
不動産投資の分野でも、多くの投資家との強いネットワークを持ち、自社投資を通じて多様な選択肢を提供していることから他社で断られた物件や普通の不動産会社では取り扱いが難しい物件をお持ちの方へおすすめです。

株式会社カチタス

会社名		株式会社カチタス
所在地		埼玉県熊谷市広瀬240-3
電話番号		048-526-2500
公式サイト		https://katitas.jp/information/

株式会社カチタスは、中古住宅の買取再生事業を展開する企業です。主に地方都市をターゲットに、「新築」「中古」「賃貸」に代わる「第四の選択肢」として、リフォーム済み住宅を市場に供給しています。

スター・マイカ株式会社

会社名		スター・マイカ株式会社
所在地		東京都港区虎ノ門四丁目3番1号城山トラストタワー28階
電話番号		0120-503-070
公式サイト		https://www.starmica.co.jp/

スター・マイカ株式会社は、10年以上の実績を持つ不動産買取専門企業で、東証プライム上場のスター・マイカ・ホールディングスのグループ会社です。国内トップクラスの年間買取戸数を誇り、マンション買取に特に強みを持っています。リースバックや投資用不動産のオーナーチェンジにも対応しており、さいたま市内に支店を構えています。マンション買取を検討している方には、スター・マイカの利用をお勧めします。

大京穴吹不動産

会社名		大京穴吹不動産
所在地		埼玉県さいたま市浦和区岸町4-26-1
電話番号		0120-911-769
公式サイト		https://www.daikyo-anabuki.co.jp/

大京穴吹不動産は、大京グループの一員で、相続後の空き家買取に特化した全国展開の不動産会社です。不動産の売買、賃貸、リノベーションを手掛け、空き家買取では全国ランキング上位に位置しています。顧客のニーズに応じた3種類の買取サービスを提供し、最短1週間での買取が可能です。

近藤不動産株式会社

会社名		近藤不動産株式会社
所在地		埼玉県ふじみ野市上福岡1-14-7
電話番号		049-262-0252
公式サイト		https://www.daikyo-anabuki.co.jp/

大京穴吹不動産は、大京グループの一員で、相続後の空き家買取に特化した全国展開の不動産会社です。不動産の売買、賃貸、リノベーションを手掛け、空き家買取では全国ランキング上位に位置しています。顧客のニーズに応じた3種類の買取サービスを提供し、最短1週間での買取が可能です。

まとめ｜埼玉県の空き家問題への対応策を今すぐ実行しよう

埼玉県における空き家問題は、多くの方にとって切実な課題です。この記事では、空き家買取の基本知識から、有効活用のアイデア、おすすめ買取業者の選び方まで、幅広く解説しました。空き家を持つことの不安を解消し、新たな価値を生み出すために、以下のステップを踏んでみましょう。

1. 空き家買取の基本を理解する
2. 有効活用のアイデアを考える
3. 用途に合った専門家と連携をする

これらのステップを踏むことで、あなたの空き家が地域社会にとっての資産となり、新たな価値を生み出す可能性が広がります。今こそ、積極的な一歩を踏み出し、空き家問題の解決に向けて行動を始めましょう。